戸門剛
探す・見分ける・食べる
おいしいキノコ狩り図鑑
ガイド
書誌
| author | 戸門剛 |
| publisher | 農文協 |
| year | 2026 |
| price | 2700+tax |
| isbn | 978-4-540-25132-0 |
履歴
| editor | 唯野 |
| 2026.10.18 | 読了 |
| 2026.10.19 | 公開 |
著者がきのこ料理店主というだけあって、あくまできのこを食べるための観点から紹介した本。さすがに新しいだけありオオシロカラカサタケの紹介やStarlinkの活用にも触れている点は今どき感がある。私もきのこ採取データをスマホの地図アプリからGoogle Earthに取り込んだりしているが、そうすると結果を3Dで見ることができ、きのこの生える傾向といった把握ができて便利である。
また、食べる前提なので少しでも疑わしいきのこは食べないという方針も徹底しており好感が持てる。これは私も実践しており、当然ながら食菌を捨ててしまったケースもあるが、おかげで今のところ中毒に当たったことはない。例えば、テングタケ系は猛毒菌が多いため、タマゴタケ以外には初めから手を出さない、ウラベニホテイシメジは確実にカスリと指で押した跡のあるものだけ採取する━━などである。
一方で若干苦言を呈すると、装備では虫よけスプレーや最悪の場合での暗くなってからの行動に備えたヘッドライトなどにも言及すべきだと思うし、食用きのこにアカヤマドリ・シモフリシメジなどがなく、近年に毒きのこ扱いされているものとしてキシメジ・シモコシ(私は食べてますが)の記載がないのは意外だった。
とはいえ、食菌に関して似たきのことの判別が具体的に記されているのは、類書にない配慮でとても良い。また、山へ入る準備から調理方法までを幅広く扱っており「食べるという目的で図鑑では物足りない」という人にとっては良い案内になると思う。
もっとも近年ではGPS機器のおかげで遭難以上にクマの方が恐いのも事実であり、私も鈴と狩猟刀は携帯しているものの、後は糞や痕跡を見たら無理せず引き返す辺りだろうか。登山などにも通じることだが「引き返す勇気」も大事だろう。
抄録
1
人類は人種・性別問わず、みな心の奥底に狩猟本能をもっていると思う。それが現代人であってもだ。いや、モノと情報に満ち溢れ、指先一つの簡単操作で部屋の前まで食べ物が届いてしまうようなこの現代だからこそ、秘めた本能を解放したがっている人が多いのではないだろうか。
13
身近な里山や公園で採れるキノコ。キクラゲ、タマゴタケ、ナラタケ、アミガサタケ、ヒラタケ、クリタケ、ハタケシメジ。
18
キノコの見分け方に近道はない。各種類の特徴と違いを地道に覚えていくことこそが、むしろ、なによりの近道となるだろう-/-
-/-成長段階や採取時の天候、特に雨に打たれたか否かで、天然のキノコは様々に様子を変える。「特徴が一つでも異なれば採らない」という強い信念をもって採取すれば、誤食事故は大いに減少すると思う。
