小さい会社をつくる
――マイクロ企業の時代
書誌
| text | 唯野 |
| author | 池ノ上直隆 |
| publisher | ちくま新書 |
| year | 2000 |
| price | 660+tax |
| isbn | 4-480-05841-9 |
履歴
| 2008.8.4 | 読了 |
| 2010.10.26 | 公開 |
感想
現代における起業家(アントレプレナー、entrepreneur)の求めるべき姿を独自のコア・コンピュタンスを持ったマイクロ企業にあるとして説いた本。主張がはっきりしているので、ぶれがなく、その意味ではまとまりの良さを感じた本だった。企業の大小ということが安定性につながる時代ではなくなって久しいが、逆にいうと小さな企業にもチャンスの増えた反面、相当の強みがなくては生き残れない時代にもなっている。その意味では、おおむね同感できる内容だった。
抄録
10
本書執筆の中心となるマインドは、ピリリと辛い?マイクロ企業?群の成功こそがこれからの経済社会の礎となり、またマイクロ企業こそが次の時代のビジネスリーダーたるべき存在なのだ、というところに通底している。
成功は、努力、忍耐、向学心、信念の無い者には無縁なのである。
14
つまり、偏差値教育の中身とは、保全型の人間の培養を目的としていて、国家や社会の健全な発展のために知識をどのように生かしたらよいかなどといった知識の本質を学ぶという類のものではなく、身の保全への手段としてとらえられてきたのである。-/-
17
しかし、グローバリゼーションの時代に突入すると、世界のマーケットでの企業競争がフェアに実施され、日本だけを特別扱いすることは許されないことになる。
競争の公平化が叫ばれるようになり、それが?自由化?の波でもあり、金融緩和の要請でもあり、高品質でより安い商品やサービスのみが、競争に勝ち生き残れることになった。
行政の保護というベールを一切なくし、世界のレベルで生き残れる実力派企業に生まれ変わっていかなければ未来はないからだ。
18
たとえば、東京都の場合、一年の歳入の四〇%が人件費ということである。民間企業であれば完全に倒産である。地方公共団体も国民の税金収入で支えられているが、その税金もそれなりの所得が持続していることが前提になって可能なのである。-/-
20
日本の経済が慢性インフレ下にあり、その規模が拡大を続けている限り、人々は将来にひとつの安堵が持てた。それは、土地や株が永遠に上昇し続けるという錯覚であった。
企業は、本来の仕事で失敗していても、また大いに赤字決算を出していても、土地や株式の値上がりによって、トータルでは黒字決算ということになり、実質的な企業の実力はベールに包まれてしまっていることに慣れてしまっていた。
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