私の愛する憩いの地
書誌
| text | 唯野 |
| author | 兼高かおる |
| publisher | 新潮文庫 |
| year | 1995 |
| price | 520 |
| isbn | 10-136511-3 |
履歴
| 2002.9.9 | 読了 |
| 2002.11.17 | 公開 |
| 2003.1.8 | 修正 |
感想
著者は 1959-90 の長きにわたって「兼高かおる世界の旅」というテレビ番組をやっていた人。本書はその人が日本人でも気軽に行ける世界の各地を紹介した本である。実際、世界中のあらゆるところが取り上げられており、さすがに世界 160 カ国を訪れたというのは伊達ではない。
こういう本は読んで楽しいだけでなく、意外な発見も多くてためになることが多い。私は世界の歴史ひとつをとっても、それを世界史の教科書で学ぶよりは、こういった本の断片から得られる知識の方が結局は頭にも残るのではないかと思っている。通史の方が全体の理解に役立つのは事実だが、断片が意外なところでつながったりする類のおもしろさにはなかなか接することができないと思うからだ。
# こういう人の本まであるから文庫はおもしろいと思う
抄録
11
エスキモーとは生肉を食べる人との意味なので今日ではイヌイットという言葉を使う。(後は本多勝一を読めばよい:唯野注)
15
北極点、いわゆるノースポールは、北極海という海の上。したがって北極点到達を願う人間は北極海に浮かぶ氷のうえに立つのです。しかし、人間が北極点に立つのは、空を飛ぶ鳥の影を踏みつける以上にむずかしいウルトラ C 級の技だと言われています。なぜなら浮いている氷が動いているからです。-/-
21
ヴェルディの歌劇「アイーダ」はスエズ運河の完成を記念して作曲されたもの。初演はカイロでなされ、当時のオリエント風なものの流行と相まって大きな影響を与えた。(こういうのは荒俣宏なんかが詳しい:唯野注)
22
リケはもともと資産家の弁護士の息子としてこの地に生まれ、塩税の徴収人に任命されてくまなく歩きまわったことで、この辺りの知識が豊富になりました。そして時のフランス国王ルイ十四世に運河計画をすすめたのです。着工したのはリケが六十二歳になってからでした。リケは肯定のある所には階段式水門をつくり、小さな山はくりぬいて水路を通しました。(これはフランスのミディ運河のこと。1666 から 15 年をかけて 240km の水路を作った。地中海からトゥルーズを経て大西洋のビスケー湾へ抜ける:唯野注)
27
こういう外出のために、船と一緒に自動車も同行のクルージングなのです。自動車は船にはのせずステュワードがドライヴして移動します。クルージングの速度は誠にのんびりそのもので、川辺りを私達の方が船より速く走って水門で待ったりすることも度々ありました。運河はその昔、エンジンのなかった頃は馬で船をひいたため、その岸辺は馬の歩く道と日差しから馬を守るための並木で縁どられています。すずかけ、ポプラ、杉といろいろな種類の木々の並木ですが、この地区、ミディは、フランスの南部ですから、日射しも強く、そのために是非必要だった木陰がいまは美しい風物となっているのです。cf.26
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