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DOSの系譜を辿る

書誌

text唯野
author大渕栄作
publisher技術評論社
year『Software Design 1998.6』p.100-107

目次

1感想
2抄録

履歴

2001.4.10読了
2001.4.11公開
2001.4.28修正

感想

「DOS 再発見」という特集記事の中で DOS の歴史を扱った部分の要約。記事としてはほかに DR-DOS の日本語化、DOS のネットワーク利用などが取り上げられているが、さすがにコンソールで使うなら Linux の方がシェルだけとってみても上だし、単純用途なら 95/98 の起動ディスクをカスタマイズすればよい話なので、ここでは Wintel 時代の礎となった DOS という OS の歴史だけ取り上げる。同様に、記事では IBM PC の誕生からを扱っているが、この辺も 『コンピュータ帝国の興亡』 の方が詳しいので割愛する。ちょうど Me や 2000 で DOS 切りが現実になってきているので、タイミング的にもちょうどよかろう :-)

# もちろん、私は「DOS/V」でコンピュータ(パソコン)を知った人間ですが、
# 世の中にはもっとすごい人がいくらでもいますから...

抄録

Microsoft の開発した DOS には MS の MS-DOS (MicroSoft Disk Operating System) と IBM の PC-DOS (IBM Personal Computer Disk Operating System) というふたつがあり、前者は MS が OEM 用に開発し、後者は IBM が MS から権利を得て自社 PC のためにアレンジしたものという位置付けだった。

Version 1.x

Version 1.0 は IBM PC とともに 1981.8 に産声を上げた。OS としては 64KB のメモリのうち 12KB を使い、CP/M との互換性、5インチ 160KB FD(1D) のサポートといった機能を持ち、約 4000 行のアセンブラで書かれていた。構成プログラムは ibmbio.com (ディスクと文字の入出力システム)、ibmdos.com (ディスクとファイルのマネージャ)、command.com (コマンド・インタプリタ) の 3 つだった。CP/M との違いは豊富なファイル情報、優れたディスク割り当てアルゴリズム、軽快な動作、バッチファイルのサポートなどで、82 年の Version 1.25 で初めて広く OEM されるようになった。(この頃までに 5 インチ 320KB FD(2D)もサポートされた。

Version 2.x

Version 2.0 は 1983.3 に IBM が HDD の搭載した PC/XT を登場させたのに合わせてリリースされた。この頃に UNIX を意識した標準入出力、パイプ、フィルタなどが付け加えられ、ほかにもデバイスドライバのユーザ組み込み機能、プリントスプーリング、環境設定ファイル(config.sys)、メモリ管理、シェルのカスタマイズがサポートされるようになった。コードは約 20,000 行のアセンブラで、MS もこの頃を契機に開発体制を巨大化していくことになる。そして、2.05 で多くの国の時間、通貨、16 ビット漢字コードなどがサポートされた。当時、日本では NEC PC-9801 が登場し、アスキーが DOS の普及に努めたため、BASIC マシンだった 98 も DOS マシンとなっていくことになる。

Version 3.x

Version 3.0 は 1984.8 に IBM が 80286 を積んだ PC/AT とともに発表された。(80286 は リアルモード/プロテクトモードをサポートしていた。) FAT16 や RAM ディスクといったデバイスがサポートされ、API もこの頃にほぼ固まった。コードはアセンブラで 40,000 行となり開発者も 30 人規模となった。3.1 でネットワークサポート、3.2 で 3.5 インチ FD、3.3 で IBM の PS/2 シリーズ(720KB/1.44MB のFD)に対応した。IBM と Microsoft は DOS の 3.3 に並行して OS/2 をリリースしたが時期を逸し機能が不完全だったこともあって成功せず、91 年に Microsoft は撤退して Windows ヘ注力するようになる。

Version 4.x

OS/2 が伸び悩む中で IBM は 1988 に独自に 4.0 を発表し、Microsoft もこれをリバースエンジニアリングして追ってリリースした。4.0 では 32 bit のセクタ(2GB) のファイルシステムをサポートし、(プログラムは 640KB までだが)メモリも 16MB まで拡張できるようになった(EMS と XMS)。しかし、4.0 はバグが多くフィックス版である 4.01 もディスクパフォーマンスの向上を引き換えにした OS サイズに問題があった。そのためユーザの多くは 3.3 を使い続けあまり普及しなかった。

Version 5.x

Version 5.0 は 1991.4 にリリースされ、ユーザメモリを得るために 4.01 での方法ではなく拡張メモリ上 (HMA : High Memory Area) に OS やデバイスドライバを置く方法が取られた。また、このバージョンでシェルやユーティリティの改良が行われ、ちょうど Windows が実用レベルになってきたことに合わせたバージョンアップとなった。(MS による OEM ではない店頭販売も初めて行われた。)

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