算私語録
書誌
| text | 唯野 |
| author | 安野光雅 |
| publisher | 朝日文庫 |
| year | 1985 |
| price | 380 |
| isbn | 2-260310-0 |
履歴
| 2002.11.8 | 読了 |
| 2002.12.31 | 公開 |
| 2003.1.17 | 修正 |
感想
元は『数学セミナー』に連載されていたもの。例によってというか、おもしろくためになるといえばなる、ならないといえばならない小話がたくさん載っている。本の装丁からして凝っているというか、らしさにあふれた一冊である。
# ちなみにここでの項数ではなく項番で取り上げている。
抄録
3
絵や図をかくとき、曲線は字の通り曲者である。雲形定規は全くの近似値である。銅線を芯にして、自由に曲る曲線定規というものもあるが、ほとんど使いものにならない。私は必要に応じて、フリーハンドの線から曲線を導き出し、ボール紙で定規を作ってかく。
5
直線定規だって曲者である。三角定規の一つのかどは必ず直角だ、と信じている人が多いが、大きい三角定規で直角の精度の高いものには、一度しかお目にかかったことがない。-/-
11
尺の物差しがないから、人間国法の指物師が困る、という話があったが、指物師は物差しをあまり使わない。物差しを介在させず、いきなり実物にあわせて切る。この寸法のとり方を「現場とり」という。たんすのひき出しなど、みんなこれである。ただし、大量生産のたんすは別である。
24
はじめ私の家を作るとき、設計図は自分でかいた。ガラス窓の一枚一枚から屋根瓦までかいた。不備の点を調べるために建築士に見てもらったら「卒論ですな」といわれたくらいの出来だった。はじめ大工さんは少々手荒、とかいたのは根拠がないわけではない。僕のかいた設計図はそっちのけで、ベニヤ板の上に墨で簡単な図をかき、い、ろ、は、に、などと符号をつけたものを見ながら仕事をすすめた。もっともそれで同じものができた。
26-1
屋根にペンキを塗るときは上から順に塗ってさがる。下から塗るとペンキが乾くまで降りてこられない。
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