デマルコ大いに語る
ソフトウェア 24 の閃きと冴え
書誌
| text | 唯野 |
| author | トム・デマルコ |
| editor | 大野zq郎(訳) |
| publisher | 日科技連 |
| year | 1998 |
| price | 2,800+tax |
| isbn | 8171-6057-8 |
履歴
| 2002.7.3 | 読了 |
| 2003.10.8 | 公開 |
| 2003.10.14 | 修正 |
感想
というわけでデマルコ本である。内容的には既に読書ノート化している他の書籍の方が優れている感じだが、ここまでくれば一通り読んでおきたいというのが貧乏性な読書人の性というものである。そうでなくても、各章が適切な長さで抑えられているといった構成面では他書と同様、実に読みやすいものとなっている。書き手が常にそういうことを計算に入れているという、書籍全体から読者に対する心遣いを感じ取ることができるのも、デマルコの本の特徴といってよいように思う。
抄録
viii
この国では、平均的プログラマは職業人になる以前に、コンピュータ科学を四年間みっちり研鑚していない。それどころか、公教育の中学校二年の二学期あたりから国語や数学が嫌いになり、勉強はつまらないと刷り込まれてしまう。もっと年長になると、「燃えつき症候群」に陥るケースが多い。あろうことか受身の集団教育を教育と錯覚し、演習・実験・作法修得にまったく弱い。日本語と国際交流語、あるいはリベラルアーツ一般についても、自身で自己啓発するしかない構図になっている。
同感であるとともに自分が恥ずかしくなってしまうような一文である...
9
一体、これはどうなっているのか ? ソフトウェアの見積もりが、ほとんどあるいはまったく現実に合わないのに、なぜ管理者は不満と感じないのか ? どうしてこんなことになるのか ? おお…だんだんわかってきたようだ。たぶん、見積もりプロセスの目的は、現実的な答えを手に入れることではなくて、
現実的でない 答えを手に入れることにあるのだ。
10
「ソフトウェアはなぜこんなに高くつくのか」という問いは、問いという形に隠された一つの主張である。ソフトウェアが高いという主張は、コスト削減という目論見の一環なのだ。良いスケジュールというのはだれも守りたがらない納期であるという皮肉な考えが、この目論見のもう一つの一環である。
16
これは当たり前のようであるが、誰かが言わなければならないことも確かだ。計測は莫大な費用がかかる。いいかげんに収集するだけでも多くの費用がかかるし、しっかり収集するにはもっと大変な費用がかかる。
31
これは、ダグウッドに向かって次のようにいうブロンディの堂々たる伝統的節約である。「ダグウッド。今日はわたし三〇〇ドルも浮かしたわよ。帽子三〇個を半額で買ったの」。これにはアメリカの納税者もダグウッドともども考え込んでしまう。「これだけ節約してるのに、何でこんなに貧乏な気がするんだろう。」cf.30
もちろん、これはソフトウェアのコスト算定(純節減額 = 製造費 x (使用回数 - 1))に対する問題点のたとえのお話。他に例えばモジュールを小さくするのが複雑性の削減技法としてではなく、単なる長さの削減技法になっているなど。cf.41
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